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綾瀬ユキによる小説ブログです。 同人的です。苦手な方はご遠慮下さい。 版権ものが大多数。紳クロまぐまお推進中☆ 気に入ったものがもしありましたら一言コメントをいただけたら嬉しいですv 気軽に話しかけてください♪
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雨はまだサラサラと続いている。
「よい…しょっと」
まおらは太い枝に手をかけ、木をゆっくりと登っていく。
昔からおてんばだったまおらだが、さすがに高校生ともなれば身体も少し重い。
くぼみに足をひっかけて、ようやく猫の近くまで来ることが出来た。
下から見上げる真栗。
こういう時は男が行くもんだろ。
でもあいつは昔っから言い出したらきかねぇんだよな、
っていやいや、あいつも男だっつーの………
なんて事を考えているうちに、まおらはどんどん登っていく。
「大丈夫けーー?!!」
大声で呼ぶ。
「シーーーっ!!!(ばかまぐーっ!!)」
「ウゥ~……」
こちらに気付いて小さく猫がうめく。
しっぽが立って、警戒しているようだ。
「ホラ、おいで……こわくないよ」
動物と仲良くなるのは割と得意なまおら。
優しく話しかけながら手を伸ばしたが、猫は不機嫌なままで、あと少し届かない。
「う~…(もうちょい近くに…)」
もう一歩上の方に片足をかけ、左手を伸ばして…
(…せーのっ!)
一気に猫の胴を掴み、抱え込んだ。
「ミャ、ミャア、ミギャァァ!!」
逃れようと必死に腕の中でもがく猫。
「わっ、ちょ、ちょっと、暴れないでっ!!」
「ほら馬鹿っ、早く渡せっ!!」
「んー;はいっ!」
なんとか猫を真栗に渡した。
「ミャ、ミャ!!ミャー…ミー……」
猫は真栗の左腕の中になんとか落ち着いたようだ。
「ふぅー;」
二人のため息が重なる。
「油断して落ちんなよ」
「わーかってるよ!」そう言って降りていった………
が、最後の一歩を下ろそうとした瞬間。
油断したのか、雨で、足がつるっと行き場を失った。
後ろ向きのまま、木から手が離れる…
「ひゃあっっ!!!」

………ボスッ。

「……~~~っ;」
「…あのなぁ………;」
左腕には猫を抱いたまま、真栗の右腕がまおらを受け止めていた。
「ごっ、ゴメン…;」
突然の出来事……
そしてそれ以上に、その真栗腕の強さに、まおらは自分の心臓の音をどきどきと大きく感じた。
(あれ、なんか……こんなにこいつ、大きかったっけ…)
「…なんだよじろじろ見て;」
「んっ?いや…!なんでもない」
目を見られて、ちょっと下を向く。
「そうか?つーか、こいつどうするか…」
「見せて…」
猫の怪我は、命にかかわるものではないようだが、脇腹をどこかにぶつけてしまったようだ。
元気があるとは言えない。
「お医者さん連れてかないと…!」
「じゃあ、とりあえずうち来るか?」
「へ?」
いきなりの話に、まおらは目を丸くした。
「だってお前、その格好じゃ家にも帰れねぇだろ」
「あ……;」
雨の中木に登ったのだから、当然の如く、制服は雨でひどく濡れ、ところどころには泥が付いている。
まおら自身も服には非常にこだわるのだが、まおらの両親はデザイナー。
服への情熱はまおらの比では無い。
もしこんなに制服を汚したのがバレたら……!!
「ちょっとヤバい…かも………;」
「だよな。俺んち行って、車出してもらおう」
「う、うん………」
そう言って二人は真栗の家に向かった。


(つづく)
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