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とうに沈んだ夕日、
花火の残り香。
まさに 「祭りの後の静けさ」。
文化祭も無事終了。
あんなににぎやかだった校内にも、もう人影はまばらだ。
しかし文化祭実行委員もかねている生徒会の面々には当然、
まだ後始末がたっぷりと残っていた・・・・・・
「あーっ!!もうっ、何でココ計算合わないの!!!!」
企画・会計のまおらも空き教室で一人、ここ何時間も帳面と電卓とにらめっこをしている。
生徒会のブレーンと呼ばれ、成績も校内2位が定位置の(しーずんたまに抜くもん!!(本人談))まおらではあるが、
流石にこれだけの大イベントの領収書だのなんだのをまとめるのは正直、しんどい。
「(もーっ、頼むからみんな、ちゃんとしといてよ~)」
この場にいない一般生徒達に言っても何にもならないのではあるのだが。
・・・ガラッ。いきなり戸が引かれる音がした。
「?!」
「お、なんじゃお前そこにいたんけ」
見慣れた迷彩柄。そして見慣れすぎた金髪。
「まっ真栗!おどかさないでよもう~」
思わず落としたペンを拾いながらまおらが言う。
「なんかしーずんとか灰音とかもいつの間にかいねーし、他のみんなもいい加減帰るって言ってるぞ」
閑雅や灰音がどうしているかは別の問題として。
時計は8時を過ぎていた。
しかし書類の束は山積みだ。
「あーうんー・・・いいや。あたしもうちょっとやっちゃう。」
「ふーん、そっか。わかった。・・・おー、なんじゃこれ、まだ片付いてないんか?すごい量じゃのう」
・・・余計な一言。全く悪気はないのだろうが、そのひょうひょうとした態度が、疲れきっているまおらをカチンとさせてしまった。
「はいはいそーなの、そーなんです。あたしは仕事が遅いの。
分かったからホラ、さっさと出てってよ」
あからさまに嫌な顔をして、しっしっと手で追いやるまおら。
「なっ、そんな言い方ないじゃろ?!!」
「うーるさいなぁ!集中できないの!早く帰ってよ!!」
・・・一瞬、真栗が冷たい目をした。
「・・・わかった。じゃあな」
ピシャッ。
残されたのは、遠ざかっていく足跡と、そして、沈黙。
(つづく)